交通事故を目撃し、メニュー変更

あれは私が大学3年生の頃だった。 当時私は、大学から歩いて3分の木造の小汚いアパートに住んでいた。 とにかく、通学が楽ということでここに引っ越してきた。 間取りは、6帖1間で風呂付き、家賃は1万8千円だったと思う。 ある日、深夜のお笑い番組を見ている時に空腹を覚えた。 国道3号線沿いのアパートの近くには、ほっかほっか亭があり、よく利用していた。 この日も唐揚げ弁当でも買って食べようと思い立ち、深夜1人で、ほっかほっか亭へと歩いていった。 その時、初めて凄惨な交通事故を目撃した。 1台の直進しようとする自動車が、反対車線の右折車と激突。 自動車のフロントガラスは粉々に割れ、運転者は外に投げ出され 頭からは血が吹き出していた。 路面には血のついたガラスがいたるところに散乱していた。 事故の瞬間は見ていないが、ちょうど近くの人が救急車を呼ぼうとしているところだった。 私は凄惨な交通事故の現場を初めて見たことに、衝撃を覚えていた。 やや興奮気味でほっかほっか亭にたどりつき、当初は唐揚げ弁当を頼もうと思っていたのだが、のり弁当を頼んだことを20年以上経った今も覚えている。 肉を食べる心境ではなかったのだ。